初級編】クリアを考えましょう
【初級編】クリアを考えましょう!
施工図駆け出しの頃は「クリア」ってなに?ってきっと思われますよね。
物と物とが重なる部分に隙間を作ることを「クリアを取る」と言います。
例えば鉄骨の柱と梁が取り合う場所は通常10mm離します。
目次
なぜクリアが必要なのか?
クリアが必要な理由は主に以下の3つです。
- 施工のしやすさ: 鉄骨部材は現場で組み立てられます。クリアがないと、クレーンで吊り上げた梁を柱にスムーズに接続することができません。
- 溶接のしやすさ: 柱と梁の接合には溶接が用いられます。クリアがないと、溶接棒を挿入するスペースが確保できず、適切な溶接を行うことが困難になります。
- 防錆: クリアを設けることで、鉄骨部材の間に水が溜まりにくくなり、錆の発生を抑制することができます。
クリアランスの大きさ
クリアランスの大きさは、一般的に10mm程度を限度とします。 それ以上の大きなクリアランスを設定せざるを得ない状況が発生した場合は、構造設計者や工事監理者の確認と承諾を得るようにしましょう。
クリアランスを考える上での注意点
- 部材の寸法精度: 鉄骨部材は工場で製作されますが、寸法にはある程度の誤差が生じます。クリアランスを設定する際は、この誤差も考慮する必要があります。
- 現場の状況: 現場の状況によっては、クリアランスを調整する必要がある場合があります。例えば、狭い場所では、クリアランスを小さくする必要があるかもしれません。
まとめ
クリアランスは、鉄骨造の施工において非常に重要な要素です。適切なクリアランスを設定することで、施工のしやすさ、溶接のしやすさ、防錆効果などを確保することができます。施工図を作成する際は、クリアランスについて十分に検討しましょう。